黄金を抱いて翔べ (新潮文庫出版 高村 薫著
大三国志〈上卷〉日語孤本大厚重特价 (講談社文库95年志茂田景樹著 17章6百页改写非翻译精彩语言简练缺下册日本十余种版本三国志较好评价孤本绝版精炼压缩情节紧凑精彩扣人心环大字版印刷考究老牌书商
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作者 日文高村薫著 孤本直木奖作家该书获推理悬疑大奖成名作品,影视化,大阪重要街道写字楼都被描写,大阪城市小说6人大盗银行金条
出版社 日本新潮文庫获推理悬疑大奖成名作影视化大阪重要街道被描写城市小说6人大盗银行金条500公斤分工明确巧妙翔实描写书损特价
出版时间 1994
装帧 平装
页数 358页
货号 B00959
上书时间 2020-03-29
商品详情
品相描述:八五品
1 没有书衣。2 书中笔记划线数百 3 图史边角有压褶 书损定为8品 特价处理 銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ! 大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果して突破可能か? 変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋が切って落とされた。圧倒的な迫力と正確無比なディテイルで絶賛を浴びた著者のデビュー作。日本推理サスペンス大賞受賞。
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文庫: 358ページ 出版社: 新潮社 (1994/1/28) 言語: 日本語 ISBN-10: 4101347115 ISBN-13: 978-4101347110 発売日: 1994/1/28 商品パッケージの寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm おすすめ度: 5つ星のうち 3.4 49件のカスタマーレビュー Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 195,982位 (本の売れ筋ランキングを見る) 1305位 ─ 本 > 文学・評論 > 文学賞受賞作家 > 直木賞 > 101-125回 3637位 ─ 本 > 文庫 > 一般文庫 > 新潮文庫 4631位 ─ 本 > 文学・評論 > ミステリー・サスペンス・ハードボイルド ベストセラー作家・高村薫が1990年に発表し、第3回日本推理サスペンス大賞を受賞したクライム小説を井筒和幸監督、妻夫木聡主演で映画化。過激派や犯罪者相手に調達屋をしてきた幸田は、大学時代からの友人・北川から銀行地下にある15億円の金塊強奪計画を持ちかけられる。幸田と北川は、銀行のシステムエンジニア・野田、自称留学生のスパイ・モモ、北川の弟・春樹、元エレベーター技師の爺ちゃんを仲間に加え、大胆不敵な作戦を決行する。共演は浅野忠信、桐谷健太、溝端淳平、チャンミン(東方神起)、西田敏行。 銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果して突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋が切って落とされた。圧倒的な迫力と正確無比なディテイルで絶賛を浴びた著者のデビュー作。日本推理サスペンス大賞受賞。映画化され、11月には公開されるという。高村薫の作品で映画化されたものがあっただろうか。これが氏のデビュー作であるにもかかわらず、どういうわけか、わたしは読んでいなかった。 いまさらではあったが、途方もなく新鮮な衝撃を受けた。これほどリアルで暴力的でシリアスで、魅力的な大型の犯罪小説だったとは知らなかった。不条理の世界で生きる人間を穿つ高村文学は『太陽を曳く馬』へと飛翔したのだが、原点はすでにこのデビュー作に埋まっていたことに気づいたことである。 「銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ!大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは果たして突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取計画の火蓋は切られた………。」 「日本推理サスペンス大賞受賞、圧倒的な迫力と正確無比なディテイルで絶賛を浴びた、著者のデビュー作」 メンバーそれぞれの得意技を活かしたチーム型強奪作戦である。手に汗を握るアクションが期待されるから、それだけであれば、小説よりは映像表現のほうが間違いなく受けるテーマである。私の年代では映画で『黄金の七人』や「オーシャンと仲間たち」を思い浮かべる。 まさに映像化にはふさわしい見せ場がいたるところにある。ダイナマイト輸送トラックの襲撃、変電所爆破、通信ラインの共同溝爆破、そして金庫襲撃と後半立て続けのアクションシーン。地形、建物の構造、爆薬製造、エレベーターシステムなどディテイルの積み重ねは映像のほうがわかりやすいとは思う。そして国際的謀略を背景にした、殺るか、殺られるかの激闘、暗闘。20年以上前、1990年の作品なのだ。とにかく当時、これだけ荒唐無稽な犯罪を細部にこだわって迫真力ある重量級バイオレンスに仕上げたのが新人の女性作家だったことは信じがたいことである。 ところでハリウッド製のチーム型強奪モノというのは、オシャレで女性にモテモテのダンディたちが、陽気に派手にふるまう持ち前の性格をちょっとオーバーにした程度の、生活の臭いとは無縁な楽しいゲームであった。まさに痛快冒険活劇!フランス映画、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンが共演した『地下室のメロディ』だって渋いフランス流ダンディズムが一貫していた。 ところが『黄金を抱いて翔べ』はこれらとはまるで異質である。この異質なところは映像化が難しそうであり、映画は原作とは別物になるのではないだろうか。 時は「ランボー3」が上映されていたということで1988年と推定される。昭和63年。昭和の最後の年にあたる。北川浩二(計画の首謀者)、幸田弘之(行動のリーダー)は29歳から30歳。二人は学生時代に左翼ゲリラに武装部品等を売買していた仲間であり、公安の監視対象者。幸田は母親が神父と不倫関係から孤独に育ち、家族や神を憎悪する人物。二人とも頭脳は明晰、繊細な感受性を持ち、自分を冷静に見つめることができる男である。社会の枠組みを認めず、虚無の中で希望は持たず、この世に未練がないが、ただ湿り気のある生命力だけは旺盛なのだ。そして暴力の臭いを発散させ、女よりも男を引き寄せる。後から出版された本が次々と高い評価を受ける度に、その評価が低くなっているような気がする、一寸気の毒な高村薫のデビュー作。氏の書籍はすべて読み、作品を重ねる毎に「凄み」を増すのを実感したが、やはり、原点はここにある、と思い至った。 また、理屈抜きに気に入った作品でもある。ストーリー展開のテンポの小気味良さ、「現代の金塊泥棒」という懐古趣味的で洒落っ気のあるテーマ、怪しげで魅力的な登場人物のキャラクターと目的達成の過程における彼らの人間模様の変化。これらに詳密なディテールと観察力豊かな描写が合わさっているから、何度でも読み耽りたくなる。 高村文学の原点を感じるのは、登場人物のキャラクターの傾向、ストーリーの構図が、その後の作品に受継がれているところ。デビュー当時より、評論家各氏に「ミステリーなのに動機が曖昧」と指摘されているが、それは、高村氏が書きたかったのは単なる「手品の種明かし」ではなかったからだろう。むしろ心理分析やプロファイリング等、現代科学の英知を束にして挑んでも割り切れない「人間」という不可思議な生物、そしてその人間が構成する「社会、組織」という魔物を、これもまた人間特有の「犯罪」という切り口から、読者の前にさらけ出そうとしている印象を受ける。だから、どの「ミステリー」も動機が不明確で、疑問は疑問のまま残り、明快で万人安堵な結末を迎えないのだろう。 後に「レディージョーカー」というスケールの大きな物語が生まれたのも、この作品という初めの一歩があればこそ、と思えてならない。 後から出版された本が次々と高い評価を受ける度に、その評価が低くなっているような気がする、一寸気の毒な高村薫のデビュー作。氏の書籍はすべて読み、作品を重ねる毎に「凄み」を増すのを実感したが、やはり、すべての原点はここにある、と思い至った。 また、理屈抜きに気に入った作品でもある。ストーリー展開のテンポの小気味良さ、「現代の金塊泥棒」という懐古趣味的で洒落っ気のあるテーマ、怪しげで魅力的な登場人物のキャラクターと目的達成の過程における彼らの人間模様の変化。これらに詳密なディテールと観察力豊かな描写が合わさっているから、何度でも読み耽りたくなる。 高村文学の原点を感じるのは、登場人物のキャラクターの傾向、ストーリーの構図が、その後の作品に受継がれているところ。デビュー当時より、評論家各氏に「ミステリーなのに動機が曖昧」と指摘されているが、それは、高村氏が書きたかったのは単なる「手品の種明かし」ではなかったからだろう。むしろ心理分析やプロファイリング等、現代科学の英知を束にして挑んでも割り切れない「人間」という不可思議な生物、そしてその人間が構成する「社会、組織」という魔物を、これもまた人間特有の「犯罪」という切り口から、読者の前にさらけ出そうとしている印象を受ける。だから、どの「ミステリー」も動機が不明確で、疑問は疑問のまま残り、明快で万人安堵な結末を迎えないのだろう。 後に「レディージョーカー」というスケールの大きな物語が生まれたのも、この作品という初めの一歩があればこそ、と思えてならない。 冒頭、目的のビル周辺を観察する幸田。 「双眼鏡の二つのレンズの中に、自分の目を感じた。自分の眼球と、そこから額の奥へ広がる神経の動きが分かった。こめかみがチリチリし、耳の付け根が微かにひきつっている。《世界を見ている》と幸田は思った。」 単なる大型娯楽小説ならばこんなムードのスタートにはしないものだ。 『太陽を曳く馬』のどこかのシーンにある合田雄一郎を髣髴させ、高村薫らしいドストエフスキーやニーチェにあるなにものかが全編を漂い始める。処女作からこういう雰囲気を宿した作品だったんだ。 オフィスコンピュータのメンテナンス会社に勤務する野田。エレベータ管理会社に勤務していた通称ジイさん。爆破のプロ、元北朝鮮工作員のモモ。北川の弟、暴力団系暴走族と抗争するライダー・春樹。主人公を含めいずれもが過去を呪い、悪徳に生きる者たちである。 そして暴走族、暴力団、北朝鮮の謀略機関、過激派テロリスト、韓国諜報機関、日本の公安。メンバー各自の暗い因縁に手繰り寄せられたこれらの暴力装置が複雑に連携・離反しつつ彼らの計画に干渉を始める。計画遂行と並行して彼らとの死闘が展開する。 やがてそれぞれの過去が炙り出されてくる。壮絶なノンストップアクションと非情にして哀切な人間ドラマが融合した傑作、いやぁ熱さで焦がされるような凄い作品であった。 ここに描かれた登場人物の精神状況であるが、なぜ金塊なのか。札束ではないのか。なぜ無用な殺人を犯すのか。なぜここまでの悲劇を身内に与えるのか。細密な計画遂行に比較して犯行後の展望がないのはなぜか。そもそも何のために………にもかかわらず彼らは死を覚悟した行動に挑んだ。 すべてが価値のないことなのだ。それをわかった上で途方もなく強大な壁に向けて、限界まで力をぶっつける。そこに自己の存在があり、確信できるなら死んでもいい。 現時点でみれば時代錯誤の発想でしかないだろう。だから今、彼らと同世代人には理解しえない状況ではないだろうか。 これは遠い昔の物語なのだ。ラスト昭和の崖っぷちに立って、振り返れば残照に長く引いた己の影があった。 章がひたすらに読みにくい。冒頭で躓きかける事数知れず。 が、それを耐えれば、さすがと唸る展開が待っている。 キャラの思想、性癖、堅く重たい描写など、後に続く高村薫の作品群のフォーマットは、このデビュー作でほぼ出来上がっている。 「小説家 高村薫」の原点を垣間見る事が出来ると思う。 それにしても、この作品、タイトルがいいなあ。 高村作品の中では比較的ページ数が少なく、入門書として最適です。 然しながら、侮れません。みっしりと話が詰まっており、同類小説の 倍ぐらいのボリュームに感じられます。 エンターテイメントに徹するあまり、エピソード過多(とくに誘拐の件) と思えたので☆ひとつ減らしましたが、全編を貫く疾走感は申し分 ありません。 また、モモさんの人物造形が哀しくも魅力的でした。 高村さんらしいと言えばそうなのですが、情景の描写が硬くて頭に入りにくいところがあったり、エレベータや電源設備などの説明が不要に大量かつ細く平板で、わたしの能力では、意図どころか意味すら探して立ち止まるので、物語に没頭し続けることができませんでした。会話も、飛躍の大きな箇所が幾つもあって、ハリウッドの絵付きサスペンスならともかく、字だけのそれではつまづいてしまいます。 そのため、ずいぶん練られたストーリーであることを感じながらも、星3個だと思いました。 高村さんの作品は、「レディ・ジョーカー」から入り、近くは「冷血」まで5〜6作読みましたが、「照柿」が一番良かったと思います。 こちらのジャケットの物が欲しかったのでわざわざこちらで買ったのに、通常と同じジャケットが届き正直頭にきました。イメージと違うもの売るのやめて欲しいです。このジャケットならいらなかったです。 コメ x 銀行を襲うんだ?結局、最後の何ページかで金塊奪ってめでたしめでたし。それまでの数百ページは何やった?暗くて重たいだけのお話でした。 高村薫(旧字体は文字化けしてしまった)さんの作品は評価がとても高いので、何度かチャレンジしたが、すべて最初のほうで挫折してしまった。「レディ・ジョーカー」「マークスの山」「照柿」「晴子情歌」とにかく取っつきづらい。文章が硬質的で、登場人物の心理を追うまでに至らない。しばらくあきらめていたが、このデビュー作なら短いし、なんとかなるのではと懲りずに挑戦してみた。幸田のどこか柔らかさのある性格のためか、これは最初からグイグイと。他の登場人物も含めて、人となりや過去が気になったおかげで、読むのをやめられなかった。ただ、最初からずっと、違和感があった。それは、金の延べ棒を盗もうとして協力するこの人たちの一人として、そこまでやらなくてはならないほど金に困っている風ではなく、やらざるを得ない切迫感も、金への執着も、何もないところだ。なにか漠然と、みんながやるからやろうかなあ、みたいな。北川に惹かれてってところかな。だけど、その程度の気持ちでやるような犯罪じゃないし、守るべきものがあったりもするのに。最後まで読んでも、というか、最後まで読んで、この計画のために知り合った人たちのためにとんでもないことになるとわかって、そうまでして大金を得ようとする動機がますますわからなくなった。 まだ読んでいる途中ですが、チャンミンの行動が想像できます。 皆の大阪弁が面白いです♪ 。 この作家は読んだことなかったが 映画化されていたし、原作を読んでみようと購入しました。 とりあえず読むのが苦痛。何度読むのを読めようかと思ったことか……。 きっと最後まで読めば素晴らしい作品だと信じ読みましたが、その思いも裏切られました。 まず無駄な描写が多く全く伝わってこない。人物もまったく想像出来なかったし 描写しなくてはいけない所をの描写は薄く、しなくていい描写が多い、そんな印象しかありません。 レディージョーカーやマークスの山も購入して読もうと計画していましたが、 この作品を読んで、この作家は見切りをつけました。ww 痛快な怪盗小説かと思いきや、人間関係に重きを置いたストーリー。痛快な怪盗小説を臨んでいた私にはカナリ期待はずれ。 それでも、序盤の強盗準備中の話の流れでの人情話には引き込まれページの進みは非常に速かった。しかし、他の方も書いているが後半の強盗部分ではその切れ味は続かず、蛇行運転で話が進んで行くので、「後半に 意外な展開になり・・・ 最後の部分も個人的に好きな終わり方ではなかったです。 x とても素晴らしい作品。特に北朝鮮の工作員モモが良く描かれていて映画も感動した。本は多少傷みがあったが良い。 映画を見た時「人物の背景・関係性」等についていけなかったので、買ってみました。 しかし… 映画と違い、大阪の街の名前等がさっぱり分からず、冒頭から、読み進めるのがツラくなりました。 道路やビル、川など… 名前が出てくる度に、混乱しました。 そして、映画を見た後だけに、映画のキャストの顔が思い浮かび、映画と違う場面に違和感を感じるしまつ。 映画後に読 恐らく読者が読みたいのは後半部分。 ウェイトを後半に置いて描かれていれば、更に面白い内容だったはず。 そう思うと少し残念。 映画化されると聞き、再読。高村薫は初期の作品からすでに犯罪をサスペンスの材料として選んだのではなく、人間の姿を描くための格好の素材と考えていたのだろうと思わされる。まさに原点。その人間の描き方がちまちまとした心理的なものではなく、理念と行動を基軸とした大柄で強靭なものであるところが、とても高村さんらしい。読みやすさを拒否したような強面の文体も潔く、さすがの感。 映画化され、11月には公開されるという。高村薫の作品で映画化されたものがあっただろうか。これが氏のデビュー作であるにもかかわらず、どういうわけか、わたしは読んでいなかった。 いまさらではあったが、途方もなく新鮮な衝撃を受けた。これほどリアルで暴力的でシリアスで、魅力的な大型の犯罪小説だったとは知らなかった。不条理の世界で生きる人間を穿つ高村文学は『太陽を曳く馬』へと飛翔したのだが、原点はすでにこのデビュー作に埋まっていたことに気づいたことである。 「銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ!大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは果たして突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取計画の火蓋は切られた………。」 「日本推理サスペンス大賞受賞、圧倒的な迫力と正確無比なディテイルで絶賛を浴びた、著者のデビュー作」 メンバーそれぞれの得意技を活かしたチーム型強奪作戦である。手に汗を握るアクションが期待されるから、それだけであれば、小説よりは映像表現のほうが間違いなく受けるテーマである。私の年代では映画で『黄金の七人』や「オーシャンと仲間たち」を思い浮かべる。 まさに映像化にはふさわしい見せ場がいたるところにある。ダイナマイト輸送トラックの襲撃、変電所爆破、通信ラインの共同溝爆破、そして金庫襲撃と後半立て続けのアクションシーン。地形、建物の構造、爆薬製造、エレベーターシステムなどディテイルの積み重ねは映像のほうがわかりやすいとは思う。そして国際的謀略を背景にした、殺るか、殺られるかの激闘、暗闘。20年以上前、1990年の作品なのだ。とにかく当時、これだけ荒唐無稽な犯罪を細部にこだわって迫真力ある重量級バイオレンスに仕上げたのが新人の女性作家だったことは信じがたいことである。 ところでハリウッド製のチーム型強奪モノというのは、オシャレで女性にモテモテのダンディたちが、陽気に派手にふるまう持ち前の性格をちょっとオーバーにした程度の、生活の臭いとは無縁な楽しいゲームであった。まさに痛快冒険活劇!フランス映画、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンが共演した『地下室のメロディ』だって渋いフランス流ダンディズムが一貫していた。 ところが『黄金を抱いて翔べ』はこれらとはまるで異質である。この異質なところは映像化が難しそうであり、映画は原作とは別物になるのではないだろうか。 時は「ランボー3」が上映されていたということで1988年と推定される。昭和63年。昭和の最後の年にあたる。北川浩二(計画の首謀者)、幸田弘之(行動のリーダー)は29歳から30歳。二人は学生時代に左翼ゲリラに武装部品等を売買していた仲間であり、公安の監視対象者。幸田は母親が神父と不倫関係から孤独に育ち、家族や神を憎悪する人物。二人とも頭脳は明晰、繊細な感受性を持ち、自分を冷静に見つめることができる男である。社会の枠組みを認めず、虚無の中で希望は持たず、この世に未練がないが、ただ湿り気のある生命力だけは旺盛なのだ。そして暴力の臭いを発散させ、女よりも男を引き寄せる。 冒頭、目的のビル周辺を観察する幸田。 「双眼鏡の二つのレンズの中に、自分の目を感じた。自分の眼球と、そこから額の奥へ広がる神経の動きが分かった。こめかみがチリチリし、耳の付け根が微かにひきつっている。《世界を見ている》と幸田は思った。」 単なる大型娯楽小説ならばこんなムードのスタートにはしないものだ。 『太陽を曳く馬』のどこかのシーンにある合田雄一郎を髣髴させ、高村薫らしいドストエフスキーやニーチェにあるなにものかが全編を漂い始める。処女作からこういう雰囲気を宿した作品だったんだ。 オフィスコンピュータのメンテナンス会社に勤務する野田。エレベータ管理会社に勤務していた通称ジイさん。爆破のプロ、元北朝鮮工作員のモモ。北川の弟、暴力団系暴走族と抗争するライダー・春樹。主人公を含めいずれもが過去を呪い、悪徳に生きる者たちである。 そして暴走族、暴力団、北朝鮮の謀略機関、過激派テロリスト、韓国諜報機関、日本の公安。メンバー各自の暗い因縁に手繰り寄せられたこれらの暴力装置が複雑に連携・離反しつつ彼らの計画に干渉を始める。計画遂行と並行して彼らとの死闘が展開する。 やがてそれぞれの過去が炙り出されてくる。壮絶なノンストップアクションと非情にして哀切な人間ドラマが融合した傑作、いやぁ熱さで焦がされるような凄い作品であった。 ここに描かれた登場人物の精神状況であるが、なぜ金塊なのか。札束ではないのか。なぜ無用な殺人を犯すのか。なぜここまでの悲劇を身内に与えるのか。細密な計画遂行に比較して犯行後の展望がないのはなぜか。そもそも何のために………にもかかわらず彼らは死を覚悟した行動に挑んだ。 すべてが価値のないことなのだ。それをわかった上で途方もなく強大な壁に向けて、限界まで力をぶっつける。そこに自己の存在があり、確信できるなら死んでもいい。 現時点でみれば時代錯誤の発想でしかないだろう。だから今、彼らと同世代人には理解しえない状況ではないだろうか。 これは遠い昔の物語なのだ。ラスト昭和の崖っぷちに立って、振り返れば残照に長く引いた己の影があった 私はミステリ作家ではない」と自ら公言しているにも拘わらず、ミステリ作家扱いされている作者のデビュー作。本書でも、金塊強奪という犯罪が描かれているが、本筋は、社会からあぶれた若者達がそういう計画を立て、実行していく姿を通して、現代社会や人間関係の問題を抉ることが主題なのだろう。 私は、本書を作者が無名時代に手に取ったのだが、今では信じられないかもしれないが、作者の性別がまず分からなかった(ミステリ界には北村薫氏という作家もいるのだ)。何故このような事を書くかと言うと、作中での銃や施設における電気配線等に関する描写が非常に精緻であるからだ。(失礼ながら)女性には書けないだろうなぁと思っていた。しかし、途中でホモセクシャルの話が出てきた時点で、やっと作者は女性だと確信した。この機械や銃器(あるいは取材対象一般)に対する精緻な描写は以降の作品でも続き、作者の特徴となる。 強奪計画が進むに連れ、登場人物の関係にも綻びが出てくるのだが、上述のホモの関係は余計であろう。緊迫感が薄れるだけだ。また、最後はああいう終り方しかなかったのであろうか、というのが大きな不満。あれだけ緻密な計画を立てておいて、最後があれでは無計画に等しい。まあ、ミステリを書くつもりは無かったのであろうが。 本書は、"小説家"高村薫の成功を予想させる見事な出来で、女史の出発点(実際には「リヴィエラを撃て」の方を先に書いていたようだが)として記念碑的な作品である。 この物語は、銀行から金塊を強奪する男たちの話・・・と聞いて 図書館から借りて読んでみたんです。確かに人間はかけていると 思う。キャラクターが立っているというのか。本書の90%は、 その人間描写に費やされ、残りラストの10%くらいで金塊強奪 のシーンをかいている。読み終わって素直な感想は、「え?これ で終わりなの?」てな具合だった。 タイトルは「黄金を抱いて翔べ」だが、なんかなぁ・・・タイトル 変えたほうがいいんじゃないの?とも思える。
— 没有更多了 —
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